昨年(2012年)の11月から、Windowsの代わりにUbuntuをメインのデスクトップ環境として使い始めて、約半年。

結論として、私の使い方(使用目的)では全く問題ない、というよりWindowsよりも良いところが多々あるので、一度まとめようと思う。

これ以前にWindows上で行なっていた「私の使い方」というのは次の通り。

1. Webサイト巡回

毎日朝と夜に、ニュースサイトとSNS、Webメールを巡回。ブラウザはChromeを使用。

2. 文章、発表資料作り

会社の仕事を持って帰ることは最近できなくなっている。しかし、社外発表する論文などは自宅で書くことがある。これまで使用していたソフトは、Microsoft Office97。ライセンスの関係でかなり古いバージョン。

3. フリーウェア作り

(1) Androidスマートフォン用のアプリを作成。言語はJava。統合開発環境Eclipse上にAndroid SDKを組み込んで使用。

(2) 昔作っていたWindows用のフリーウェアのメンテナンス。言語はC++。開発環境はC++ Builder。

4. SNSやブログの更新

写真の管理や簡単なレタッチが必要。レタッチソフトとしてGIMPを使用。写真は自宅内サーバーに保存し、家族で共用。

5. 外部サーバーの管理

外部のWebサーバーやクラウドサービスの利用、管理。

 これらを見る限りLinux系のOSで問題無さそうと判断し、新しい自分専用の(家族共用ではない)パソコンを組み立てた機会に、デスクトップOSとして有名なUbuntuを使ってみた。雑誌などでは、インストール例としてWindowsとのデュアルブートが必ず解説されるが、腹をくくってUbuntu一本にすることにした。といっても、ダメならWindowsを買ってくるだけなのだが。

バージョンは、12.04.1LTSにした。2012年11月時点で、もっと新しい12.10がリリースされており、雑誌などではこの記事が盛り沢山だったが、古いバージョンの「LTS(Long Term Support)」を選んだ。LTSとは、セキュリティアップデートなどのサポート期間が5年間のもの。通常のものが1.5年(バージョン13より9ヶ月)なのに対し、かなり長い。これまでLinux系OSというと、OS自体を楽しむことが主に考えられていて、最新OSをひたすら追いかけることが多かった。それであれば短いサポートで問題はない。しかし今回はあくまでOSを「使う」ことが目的であり、できればバージョンアップを頻繁に行いたくない。OSは空気のような存在であって欲しい。そこであえてこの選択とした。

パソコンのハードウェア構成として、CPUは一番安いCeleronを選択。メインメモリが8GB、補助記憶としてADATA製の格安SSD 64GBにOSとアプリケーションを置き、データはハードディスク1TBと家庭内サーバーを利用することにした。DVDドライブなどの外部記憶装置は付けなかった。クラウドやUSBメモリのおかげで、最近全く使っていなかったため。余談だが、SSDの恩恵は予想以上。UEFIと合わせて、OSやアプリケーションの起動が恐ろしいほど速い。テレビのようだというと、少し言い過ぎか。

前記の「私の使い方」に対する、半年間の結果は次の通り。

1. Webサイト巡回

 Chromeの代わりに、オープンソースのChromiumを利用。Googleアカウントによる同期は完璧。ブックマークや設定の同期は、このパソコンに限らず、すべてのパソコンのChrome系ブラウザで可能になっている。動画やWebアプリなどでも困ったことはない。MicrosoftのSilverlightがダメだという噂を聞くが、これまでに遭遇したことはない。

2. 文章、発表資料作り

 オープンソースのLibreOfficeを利用。Office 2007以降に対する互換は、Office 97よりも良いのではないだろうか。Windowsソフトを実行できるオープンソースソフトウェア「Wine」で、最近入手したMicrosoft Office 2000をインストールしてみたが、これもほぼ問題なし。文章や図はLibreOfficeで書いて、Office 2000で清書をして体裁を整えるというスタイルを確立。

 余談だが、Wineは優秀。Windows用のフリーウェアを使ってみたい時にも重宝する。一番驚いたのは、3Dの地形図ソフト「カシミール3D」が全く違和感なく使えること。

 日本語入力については、「Mozc」でGoogle日本語入力が使える。マニアックな専門用語がすぐに出てくるなど、普通のIMEとは異次元の使い心地。WindowsでもGoogle日本語入力を使ったほうが良いと思う。

3. フリーウェア作り

 Ubuntuを選んだ理由の一つが、Eclipseの使いやすさを期待したこと。これは期待通り。Androidとの相性も良い。同じLinuxカーネルだからというわけでは無いだろうが。Android SDKは、WindowsよりもUbuntu環境の方に向いているのかと思う。

 Windows用フリーウェアの開発環境については、さすがにUbuntuへの移行を試していない。これだけのために、実はまだ以前のメインマシン(Windows XP)も残している。C++ Builder利用のためにたまに起動するが、さすがにUbuntuマシンに慣れているとイライラすることが多い。

4. SNSやブログの更新

 GIMPの使い勝手はWindows版と同じ。なにも変わらないので特にコメント無し。

 釣果記録のSNSで、UbuntuのChromium上だと、たまに保存されずに落ちることがある。Firefoxでは問題ないのだが、少し不便。

5. 外部サーバーの管理

 ターミナルでSSHを使えるのがとても便利。WindowsのTeraTermにはもう戻れない。

 クラウドについては、WindowsのVistaあたりからセキュリティー証明書にとても厳しくなってきたが、Ubuntuのファイルマネージャ「Nautilus」は柔軟で助かる。しかし、「クラウド」というからにはWindowsでも使わなければならない訳で、このあたりどうにかして欲しいと切に願う。

 15年以上前から、折に触れてデスクトップ環境をLinux環境に移行しようとして、挫折してきた。古くはSlackwareやLaser5から、Red HatやFedora Coreなどを試して、自宅サーバー用としては定着したが、デスクトップでは使い物にならないと判断してきた。今回、Ubuntu 12.04.1 LTSを使ってみて、初めて半年以上メインマシンとして使ってきた。これからもWindowsに戻ることはもう無いし、できないと思う。

素晴らしいOSやドライバ、アプリケーションソフトをオープンソースで開発している方々に敬意と感謝を表したいと思う。


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